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健康経営優良法人が離職率を下げる!最新データと今後の流れ

健康経営優良法人が離職率を下げる!最新データと今後の流れ

2026年5月31日 健康経営

『健康経営』という言葉が広まって久しいですが、実際に取り組んでいる企業と、まだ様子を見ている企業の間には、だんだんと目に見えてに差が開いてきています。
2026年3月、経済産業省の健康経営推進検討会が最新の資料を公表しました。

この資料には、健康経営優良法人の認定数や離職率との関係、中小企業向けの補助金・融資の優遇措置、そして今後の制度の方向性まで、具体的なデータとともに示された内容は、健康経営に取り組む企業にとっても、これから始めようとする企業にとっても、参考になるものが多くありました。
今回は、その内容を整理しながら、健康経営の現在地と、取り組むことの意味を改めて考えてみます。 

健康経営に取り組まない企業が置いていかれる時代が来ている

健康経営に取り組まない企業が置いていかれる時代が来ている
健康経営に取り組まない企業は時代に置いていかれる?!

健康経営とは、従業員の健康を経営上の課題として捉え、企業として主体的に投資していく考え方です。
体の疲れをためない環境づくり、心の余裕を生む職場風土の整備、相談しやすい関係性の構築。
こうした積み重ねが、スタッフが長く安心して働くための土台になります。
かつては大企業が先行して取り組むイメージが強かった健康経営ですが、近年は中小企業への広がりも顕著になってきています。 

経済産業省が2026年3月に公表したデータを見ると、健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定数は3,765社、中小規模法人部門では23,085社に上り、前年比でそれぞれ約11%、約16.6%増加しています。
認定を受ける企業が増え続けているということは、健康経営が規模や業種を問わず、多くの企業にとって現実的な取り組みとして定着しつつあることを示しています。

一方で、まだ取り組んでいない企業との間には、少しずつ目に見える差が生まれてきているのも事実です。
健康経営に取り組む企業は、スタッフの定着率や採用力、企業イメージの面で着実にアドバンテージを積み上げています。

今動かなければ、周囲との差はさらに広がっていきます。
業種や規模を問わず、健康経営への向き合い方が問われるフェーズに入ってきているといえますね。
人手不足や離職率の高さ、採用難といった課題は、多くの企業が共通して抱えているものです。
こうした課題に対して、健康経営という視点からアプローチすることで、職場環境の改善と組織の安定を同時に進めていくことができるのです。

取り組みの内容や規模は企業によってさまざまですが、まず健康経営を自社の経営課題として位置づけることが、最初の一歩になるのです。

健康経営優良法人の認定企業に離職率が低い傾向があるという事実

健康経営優良法人の認定企業に離職率が低い傾向があるという事実
健康経営優良法人の認定企業は事実、離職率が低い傾向にあります

健康経営に取り組む理由として、近年特に注目されているのが離職率との関係です。

経済産業省の資料では、健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)の離職率データが示されていて、従業員100人以上の規模では5.4%という数字が確認できます。
これに対して、全国平均の離職率は14.2%です。
つまり、健康経営優良法人に認定された中小企業では、全国平均の約3分の1程度の離職率にとどまっている傾向があります。

もちろん、離職率に影響する要因は健康経営だけではありません。
ただ、会社がスタッフの健康を重視している姿勢が職場全体に伝わることで、安心して働き続けようという気持ちが生まれやすくなることは、十分に考えられます。

企業にとって重要な採用活動に力を入れることはもちろん大切ですが、今いるスタッフが長く働き続けられる環境を整えることが、結果的に安定した組織運営につながっていきます。
健康経営の取り組みが、離職率という形で数字に表れてきているという事実は、取り組む意味を考える上で重要な視点です。

健康経営に取り組む中小企業に広がる補助金と融資の優遇措置

健康経営に取り組む中小企業に広がる補助金と融資の優遇措置
健康経営に取り組む中小企業は補助金と融資の優遇措置がある!

健康経営への取り組みは、スタッフや組織内のメリットにとどまらず、会社としての経営上のメリットにも広がってきています。

健康経営優良法人の認定を受けた企業に対する補助金審査の加点措置が予定されていることも示されました。
対象となる補助金には、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、IT導入補助金、持続化補助金、省力化投資補助金、成長加速化補助金などが含まれます。
中小企業が日常的に活用する補助金に幅広く加点措置が導入される方向であり、認定を取得していることが事業運営の後押しになる場面が増えていきます。 

さらに、融資面でも動きがあります。
日本政策金融公庫の働き方改革推進支援資金では、健康経営優良法人の認定を受けた企業に対し、2億7千万円まで特別利率①(1.35%)が適用されます。
ホワイト500またはブライト500の認定を受けた企業には特別利率②(1.10%)が適用されており、基準利率(1.75%)と比べると企業にとって有利な条件となりました。 

ネクストブライト1000の認定を受けた企業もこの特別利率②の対象に追加される予定であることも示されています。
こうした制度面の充実は、健康経営が社会的に評価される取り組みとして位置づけられていることの表れといえますよね。
取り組むことで職場環境が整い、さらに経営上のメリットにもつながっていくという流れが、少しずつ形になってきているのです。

中小企業への視野拡大と健康経営の社会的浸透が示す今後の流れ

中小企業への視野拡大と健康経営の社会的浸透が示す今後の流れ
中小企業への波及と健康経営の社会的浸透が示すこれからの流れ

さらに、健康経営を中小企業にさらに広げていくための対応策も示されています。
大きく3つの方向性として、健康経営に取り組む動機づくり、中小企業向けのメリットや取り組みの見える化、そして経営支援機関と連携したサポート体制の整備が挙げられています。

商工会議所・商工会やよろず支援拠点などの経営支援機関と連携し、健康経営に取り組んでいない企業への情報提供や事例紹介を行っていく方向性も明確に示されました。

中小企業が健康経営に取り組みにくい理由として、メリットが実感しづらいことや、具体的に何をすれば良いか分からないという声が多いことも資料の中で触れられており、こうしたハードルを下げるための支援体制が整いつつあります。 

また、健康経営に継続して取り組む大企業向けには、通算10回以上健康経営銘柄に選定されるなどの要件を満たした企業を対象に、健康経営銘柄Premier(プレミア)という新たな称号制度を創設する動きも示されました。
継続して取り組んできた企業が対外的に評価される仕組みが整うことで、健康経営の質と深さを競う段階へと移行していることがうかがえますね。

こういった制度の変化からも健康経営は、一度取り組めば終わりという性質のものではないことが見えてきます。
毎年の認定を維持しながら、取り組みの内容を磨き続けていくことが、長期的な価値につながっていくのです。

社会全体として健康経営の浸透を進める方向性が明確になってきた今、取り組みを続けていくことの意味はさらに大きくなっています。

健康経営を日常の積み重ねとして続けていくことの意味と価値

健康経営を日常の積み重ねとして続けていくことの意味と価値
健康経営の積み重ねを継続することの意味と価値

健康経営に取り組む企業が年々増えている中で、これからは認定を取得することそのものよりも、取り組みを継続し、職場の実態として根づかせていくことが問われるよう時代になっていきます。
経済産業省の資料でも、中小企業が健康経営に取り組む効果として、従業員の健康状態の改善や企業ブランド・イメージの向上、組織の活性化、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上などが挙げられています。
こうした効果は、一度施策を打てば得られるものではなく、日常の積み重ねの中で少しずつ育まれていくものです。

健康経営を続けることは、特別なことをし続けることではありません。
相談しやすい職場の雰囲気をつくること、食事や休息が取りやすい環境を整えること、ストレスチェックの結果を職場改善に活かすこと。
こうした日常の取り組みが積み重なることで、職場全体の健康風土が少しずつ育っていきます。
離職率のデータが示すように、健康経営への取り組みが組織の安定にもつながっていくことは、数字としても見えてきています。
今後もこうした取り組みを継続しながら、スタッフが長く安心して働ける環境づくりを続けていくことが大切です。
最新の動向をキャッチしながら、現場に合った形で積み重ねていくことが、これからの健康経営の基本姿勢です。

【参考】
経済産業省「第5回健康経営推進検討会 事務局資料」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/health_management/005.html